横浜DeNAベイスターズ、スタートダッシュ成功の裏にある“担当制”キャッチャーという試み

20年の春キャンプより。戸柱、伊藤光、嶺井、山本の姿が見える

先発投手の防御率1.95!開幕3カードを6勝3敗の好発進

横浜DeNAベイスターズが開幕からの9連戦を6勝3敗で終えた。開幕戦となった6/19の広島戦で、大瀬良に4安打完投の黒星発進も、3戦目で宮﨑の劇的なサヨナラ打で勝利をもぎ取ると、その後中日を3タテ。続く阪神との初戦も勝利し5連勝。2戦目は守護神・山﨑が、阪神の新外国人サンズに3ランを被弾し落としたが、翌日にはキッチリ9-1と快勝している。

好調の要因として最も大きいのは投手陣の活躍。先発投手が粘って5~6回までしっかり試合をつくっていることだ。ここまでの先発投手の防御率は1.95。6/27中日戦に先発したピープルズの5回5失点を除く8試合で、5回以上を2失点以内に抑えている。しかし今回は、先発投手の力を引き出しているキャッチャー陣に注目したい。

正捕手を固定しない、異色の「捕手担当制」

今永、ピープルズ、井納には伊藤光。平良、坂本には戸柱。そして濵口には髙城。去年は伊藤光を正捕手として据えていたラミレス監督だが、ここまでは投手との相性によってキャッチャーを変えていく戦略のようだ。総合力の伊藤光、キャッチングの戸柱、濵口が安心して腕を振れる髙城。そしてもう一人、守護神・山﨑と亜細亜大学時代からバッテリーを組む嶺井。

■「獲れるタイトルは全部獲る」総合力で勝るベテラン捕手
伊藤 光

19年成績●84試合 打率.254 8本塁打 27打点

プロ入り12年目の伊藤光はオリックス時代の14年にベストナイン、ゴールデングラブ、最優秀バッテリーと、キャッチャーとして獲れるタイトルをすべて獲得。経験、技術、打撃と、総合力ではNo.1。DeNA1年目は途中加入。2年目の昨年はケガで長期離脱してしまったが、自己最多の8本塁打と打撃でも存在感を発揮。今年は14年に獲得したタイトルを「もう一度狙う」と、高いモチベーションでシーズンイン。取材した印象では、常に周囲の選手を観察しているように感じた。年齢的にも実績のある投手との組み合わせがハマるだろう。

■MLB関係者絶賛のキャッチングで技巧派投手を援護
戸柱恭孝

●19年成績●45試合 打率.200 1本塁打 6打点

今年の春季キャンプを訪れていたメジャー関係者が、戸柱のキャッチングを見て絶賛したという記事があった。戸柱は入団1年目から“フレーミング”と呼ばれる技術に長けていた。フレーミングとは、ストライクゾーンギリギリの際どいボールを、ミットさばきによってストライク判定にする技術のこと。現役時代のヤクルト古田が得意としていたことでも有名だ。新人時代に取材させてもらった時、キャッチングの上手さに言及すると、「本当ですか?本当にそう思いますか?」と笑顔で喜ぶ姿が印象に残っている。コントロールで勝負するタイプの投手には心強い存在だ。

■ハマちゃんの力を最大限引き出す専属捕手
髙城俊人

19年成績●5試合 打率.182 0本塁打 0打点
移籍前の16年に撮影したため、当時の背番号32になっているが、現在は36番を背負う

髙城は、18年途中に伊藤光とのトレードで、一度はオリックスに移籍。昨年自由契約となったところを、DeNAが声をかけ再入団となった。というのも移籍前の17年、濵口の登板日限定で先発マスクを被り、新人だった濵口に二ケタ勝利をもたらしたからだ。当時の濵口が「髙城さんが、“絶対に止めるから思い切り腕を振ってこい”と言ってくださったから、あのチェンジアップが投げられる」と語っていたことが思い出される。今季も濵口限定の起用になると思うが、ここ2年本来の力を発揮できていない濵口にとって、 頼りになるアニキ分が帰ってきたことは明るい材料。心機一転のシーズンにしたい。

■チームメイトから愛される“ハマの仏様”
嶺井博希

19年成績●64試合 打率.211 2本塁打 12打点

嶺井は投手に限らずチームメイトの誰からも好かれる存在。以前桑原が嶺井の人の良さを「年下の僕が全力でぶん殴っても怒らないと思う」と評したことがある。そのことを本人伝えると「怒らないです。それよりも何で殴られたのかを考えちゃいます」と、超お人好しな答えが返ってきた。彼を嫌うチームメイトはまずいないだろう。当初は「ピッチャーが投げたい球を、気持ちよく投げてもらう」という、投手に気を使う傾向があったリード面も、昨年取材した時には「勝つためには、投手にも多少のガマンはしてもらう」と変化してきた。今シーズンはすでに4試合に出場(6/29現在)。まだ先発マスクはないが、誰とでも組めるのは強みといっていい。

今シーズンは捕手陣の活躍に注目!

トータルでは伊藤光が頭一つ抜けているのは確かだが、四者四様の個性が光る。「優勝するチームには、必ずいいキャッチャーがいる」という、故・野村克也氏の言葉がある。確かにこれまではそうだった。キャッチャーとしては、受ける投手が限られるのは、悪いように思われるかもしれないが、逆に言えば、バッテリーとして、より深いコミュニケーションが取れるということ。普通に考えれば正捕手固定が理想だが、飛び抜けたキャッチャーが不在のチーム状況としては、このスタイルは正解かもしれない。そしてそれを証明するには、やはりリーグ優勝しかない。

3か月遅れで始まった20年シーズン。先発投手や破壊力抜群の打撃陣以外にもキャッチャー陣にも注目すべき部分がある。まだ始まったばかりだが、例年になく見どころが詰まったシーズンになりそうだ。

エンターバンク 小貫正貴

20年プロ野球開幕!横浜DeNAベイスターズ「1番センター問題」を考える

コロナの影響で延期されていた2020年プロ野球が、いよいよ6月19日(金)に開幕する。開幕日が近づくにつれ、スポーツ新聞では評論家による順位予想が目立つようになってきた。その順位予想だが、例年と少し違うのが、セ・リーグの優勝候補に横浜DeNAベイスターズを挙げる評論家が多いこと。OBの齊藤明雄氏はわかるにしても、岡田彰布氏、有藤道世氏、森繁和氏、梨田昌孝氏、真中満氏らがDeNAを優勝候補に挙げているのだ。しかし、長年ベイスターズを応援している身からすると、「そう簡単にはいかないぞ」という心配事がある。

強打者が並ぶスタメン。その前を誰が打つのか?

DeNAといえば不動の4番打者・筒香嘉智がメジャー移籍し、大幅な戦力ダウンと思われていた。しかし、その筒香のあとを受けてキャプテンに就任した佐野恵太が、練習試合後半から調子をあげてきており、さらに新外国人選手のオースティンも打率.423、3本塁打と絶好調。評論家たちがDeNAを上位に予想するのは、筒香の穴は十分埋められたと判断したからだろう。加えて3年連続の本塁打王に期待がかかるソト、DeNA在籍の5年間すべてで25本塁打以上を放つロペス、17年首位打者の宮﨑敏郎と、打者は2番から6番までは相手投手には脅威の顔ぶれだ。

2番 オースティン(右)

3番 ソト(二)

4番 佐野(左)

5番 ロペス(一)

6番 宮﨑(三)

そう。「2番から6番までは」だ。7~9番は守備を重視して、ショート、キャッチャー、そして投手になる。実はDeNAの長年の課題となっているのが、「1番打者」なのだ。

DeNAになってから8年間、開幕戦では、昨年が神里和毅、一昨年が移籍1年目の大和が1番を務めた。それ以前では荒波翔、石川雄洋、桑原将志が2回ずつ。荒波は引退しているし、石川はすでにベテランの域に入っている。ショートを守る大和は打力より守備力を優先しての器用。さらに空いているポジションはセンター(外野)のみ。そう考えると、1番打者候補は絞られてくる。

19年9月28日、最終戦のスターティングメンバーでは、1番は梶谷が務めた。筒香は19日の広島戦での死球が影響して登録抹消されていた

ラミレス監督が挙げた4人の「1番打者候補」とは?

先日ラミレス監督に「1番打者」について質問する機会があった。クリーンナップとその前後の顔ぶれに比べ、1番打者が固定できていないことについて問うと、「確かにその通りです」と認めながら、次のように続けた。

「候補は4人。梶谷隆幸、神里、桑原、乙坂智です」

名前の順番が期待値と考えていいだろう。

梶谷隆幸

19年成績●41試合 打率.215 5本塁打 3盗塁

06年、開星高から高校生ドラフト3巡目で入団。13年から5年連続で二けた本塁打、14年に39盗塁で盗塁王を獲得すると、4年連続で20盗塁以上を上げている。ここ2年ほどはケガの影響で出場数が激減していたが、今年はキャンプから調子をキープしている。

レギュラーとして100試合以上に出場した14~17年の4年間すべてで、100三振以上。時に淡白なバッティングをしてしまう傾向はあるが、盗塁技術に関してはチーム随一。足のあるランナーが塁上にいることで、相手バッテリーは打者とランナーの二人と戦わなければならない。足を警戒すればストレートが多くなり、強打の2番打者には有利に。逆に打者を警戒すればランナーは次の塁を狙いやすくなる。体調に問題さえなければ、梶谷が1番打者の筆頭であることは間違いない。

神里和毅

19年成績●123試合 打率.279 6本塁打 15盗塁

17年、日本生命からドラフト2位で入団。大学、社会人経由ということで1年目から即戦力として期待され、開幕一軍デビューを果たした。打率は1年目が.251、2年目が.279と着実に成長。盗塁も2年連続で15盗塁を記録している。

攻・走・守のバランスはトップクラス。しかし長いシーズンでは好不調の波が大きかった。特に一度不振に陥ると、なかなか調子を取り戻せなかった。この2年は体調管理との戦いでもあった。本人も「疲れが出てからケアするのでは遅い。日常的に気を配れるようにしたい」と語っている。チームの本音としてはベテランの梶谷より、5年は計算できる神里に1番を打ってもらいたいはず。シーズンを安定して乗り切れるようになれば、「1番センター神里」がDeNAの定番になるかもしれない。

桑原将志

19年成績●72試合 打率.186 2本塁打 2盗塁

11年、福知山成美高からドラフト4位で入団。入団当初は内野手だったが、14年に外野手に転向すると徐々に頭角を現し、16年にレギュラーに定着。この年133試合に出場し打率.284、19盗塁。しかしこの年をピークに年々打率が下降。

明るく元気なチームのムードメーカー。思い切りのよいバッティングが持ち味で、足でも3度の二けた盗塁を記録。桑原が出塁することでチームに勢いをもたらすことは間違いない。しかし反面三振数が多いのが気になるところ。ファーストストライクを狙っていくバッティングはラミレス監督の信条でもあるが、実は以前の桑原は粘り強いバッティングが持ち味だった。14年7月の阪神戦。その年に最多勝を獲ることになるメッセンジャーに、3打席で29球を投げさせた姿は強烈な印象として残っている。1番打者の役割の一つに、相手投手の調子を見極めるために、第一打席で球数を投げさせることがある。桑原がかつての粘りを取り戻したら、レギュラー復活のチャンスが出てくるかもしれない。

乙坂 智

19年成績●97試合 打率.245 2本塁打 6盗塁

11年、横浜高からドラフト5位で入団。高校時代は近藤健介(日本ハム)と同級生。桑原とは同期入団の同学年。14年、ロッテとの交流戦でプロ初打席初本塁打を放つ。15年から52、55、83、73と着実に試合数を増やし、昨年は自己最多の97試合に出場。

プロ入り後、特筆できる成績は残せていないが、野球に取り組む姿勢は負けていない。17年オフには自分で受け入れ先を探してメキシコ・ウィンターリーグに参加。言葉が通じない中、ファイトあふれるプレーで現地のファンを魅了。チームが乙坂グッズを販売するまでになった。成績的にも27試合で打率4割1分の大活躍で、メキシコ球界に爪痕を残した。

「オトサカは間違いなくレギュラーを獲れるだけのポテンシャルを持っている」
ラミレス監督は就任当初から乙坂の身体能力の高さに注目していた。そのことは今回の1番打者候補に名前を挙げたことからもわかる。他の3人に比べると現時点では「1番センター」から最も遠い位置にいるが、きっかけ一つで大ブレイクする可能性を秘めている。筒香直系の後輩となる地元・横浜高校出身のレギュラー選手はチーム、ファン共に待ち望むところ。成績以上の期待値も含めて注目していきたい。

ラミレス監督が重視する1番打者の条件は“出塁率”

監督就任1年目に、10年連続Bクラス(最下位7回、5位2回、4位1回)だったチームを3位に押し上げ、初のCS進出に導く。選手としても2年間DeNAに在籍した。

ラミレス監督に「1番打者に求めるもの」を尋ねると、少し間をおいてから「出塁率」と答えた。打撃や盗塁も大切だがラミレス監督によると、「3割5分から4割近い出塁率が欲しい」ということだった。ちなみに広島が3連覇した16~18年の不動の1番打者、田中広輔の、この3年間の出塁率は3割6分を超え、17年はリーグトップの.398を記録している。

では昨年の4人の出塁率を見てみよう。

●1番打者候補の19年出塁率
梶谷 .330(110打席)   神里 .323(458打席)
桑原 .259(115打席)   乙坂 .313(179打席)

残念ながらラミレス監督の要望を満たす選手は、現時点ではいないことになる。裏を返せば誰にも可能性があるということだ。

ラミレス監督は「1番打者に高打率を望んでいるわけではない」と言う。つまり出塁率を上げるには、安打以外の出塁=四球をいかに選んでいくかがポイントになる。今度は昨年の4人の選四球率を見てみる。

●1番打者候補の19年選四球率
梶谷 .1455(110打席)  神里 .0568(458打席)
桑原 .0783(115打席)  乙坂 .0782(179打席)
※四球(敬遠除く)÷打席数

こうしてみると、梶谷選手が圧倒的に高い数字を残していることがわかる。前述した田中広輔が最も四球を選んだ17年は、679打席に対して89個。率にして.1311。分母に大きな差はあるが、胸を張っていい数字ではないだろうか。

6月16日に行われた、オンライン ファン・ミーティングで、ラミレス監督は開幕戦のスターティングメンバーを発表した。真っ先に名前を呼ばれたのは「1番センター・梶谷」だった。

よほどのアクシデントがない限り、20年の開幕ゲームは、梶谷が1番センターで出場するだろう。しかし今回上げた4人は、それぞれに一長一短がある。ファンの一人として1番打者の固定を願う一方、もう少しトップバッター争いを見ていたい気持ちもある。

評論家たちが「優勝候補」にあげる、横浜DeNAベイスターズの2020年がいよいよ始まる。6月19日、スコアボードに記される1番バッターは果たして誰なのか?楽しみに待ちたい。

文=小貫正貴(エンターバンク)

緊急事態宣言と横浜DeNAベイスターズの動画公開

東京都など7都道府県に緊急事態宣言が発出された。最大の要点は、「とにかく外出しない」ことだ。政府としては、人同士の接触機会を7~8割削減したい考えを持っており、そのための対策として、必要以上に外出しないことがもっとも効果的だと判断している。それをより強いメッセージとして発信したのが、今回の緊急事態宣言だ。

首相「皆様の協力あって1か月で緊急事態宣言脱出可能」(NHK)

「不要不急の外出の自粛」は、緊急事態宣言発出以前から呼びかけられていたことだが、そのメッセージは、国民、とくに東京都民にはなかなか届いてないように見えた。東京都の人口は約1400万人。4/7現在の感染者数は約1200人。自分の周りでも感染したという人はおらず、どうしても自分事として捉えられないのは理解できる。

志村けんさんの死去で知った“新型コロナウイルス”の恐ろしさ

コメディアンの志村けんさんが新型コロナウイルスにより亡くなった。けん怠感の症状が現れてから、約2週間というスピードだった。新型コロナの影響でダメージを負ったなじみのお店を助けようと「自分だけは通うから」と言っていたそうだ。もし本当だとしたら、故人には申し訳ないが、どこかで“自分だけは大丈夫”という油断があったのだと思う。

当たり前のように存在していた志村けんさんが、もうこの世にいないという事実。テレビのニュース映像で実兄が抱えていた骨壺が、現在の志村けんさんの姿だと思ったら涙が出た。志村けんさんの死、そして今回の緊急事態宣言により、新型コロナウイルスの恐怖は一気に現実味を増してきた。

弊社でも、予定されていた仕事のキャンセルが相次ぎ、新型コロナが及ぼす影響が他人事ではないことを痛感している。ここにきて「今月の売り上げをどうしよう」と不安な気持ちを抱える中小企業経営者は、僕を含めかなり多いないはずだ。

それでも残念な人々は、後を絶たない

残念なことに、宣言後にハッシュタグ“東京脱出”が急速に検索ランキングを駆け上がり、バスタ新宿が混雑しているというニュースが流れた。「自分が感染しているかもしれない」という想像力に欠けた行動だ。この感染病の恐ろしさは、99人が最大限の注意を払って過ごしたとしても、たった一人の無自覚・無責任な行動によって、その99人を巻き添えにしてしまうところだ。

4/5に放送された「ワイドナショー」(フジ)では、長嶋一茂氏がパーソナルトレーナーとフロアを貸し切りにするとしたうえで、「明日、ジムでキックのトレーニングをしようと思っている」と発言。そこに指原莉乃さんが「絶対にやめたほうがいい。“私は大丈夫”を全員がやっちゃったら意味がない」と反論した。至極もっともだ。特にテレビに出るような影響力のある人には、なるべく模範的な態度でいてほしいと願う。

横浜DeNAベイスターズが、いまできることを発信している

そんな中で、今日、少し気持ちが休まるニュースが、横浜DeNAベイスターズから届いた。

「STAY HOME. STAY SAFE.」公開~選手たちが自宅で過ごす様子や不要不急の外出を控えるメッセージを自ら撮影し、映像にまとめました~


横浜DeNAベイスターズは、自宅で過ごす選手たちがファンの皆様へのメッセージを集めた特別映像「STAY HOME.STAY SAFE.」を球団公式SNS(Instagram,Twitter,Facebook)にて発信いたします。
現在、新型コロナウイルス感染症の影響を受けプロ野球の開幕が延期となっておりますが、選手たちも不要不急の外出を控えることで“自分を守る・家族を守る・大切な人を守る”ための行動をしております。
 
今回公開する「STAY HOME.STAY SAFE.」は、選手たちが現在どのように自宅での時間を過ごしているのか、そして、日頃から応援してくださるファンの皆様に改めて不要不急の外出を控えるなど、新型コロナウイルス感染症の一刻も早い収束のため、お願いしたいことを自ら自宅で撮影した特別映像です。
 
■ 対象SNS
球団公式 Twitter アカウント:@ydb_yokohama
球団公式 Instagram アカウント:baystars_official
球団公式 Facebook アカウント:@baystars.official

神里和毅選手
乙坂智選手

第一弾は、神里和毅選手、伊藤光選手、中井大介選手、三上朋也選手、三嶋一輝選手、乙坂智選手、今永昇太選手の7選手が登場。今後も順次、球団公式SNSを通じて、選手によるメッセージ映像が公開される予定とのことだ。

このあたりのスピード感は、さすがIT会社だと思う。ファンにとってみれば選手の私生活を垣間見られるだけでなく、“大好きな選手が、不要不急の外出を控えているのだから”と、気持ちを落ち着けて、“じゃあ、私も”と追従することができるのではないだろうか。

強引に新型コロナ問題とベイスターズ情報とを結びつけてしまった感はあるが、ファンとして球団の取り組み、それに対する選手の協力体制に感銘を受けたので、ここに記しておこうと思った次第。

文=小貫正貴(エンターバンク)

横浜DeNAベイスターズ、筒香のあとを継ぐ者たち

横浜DeNAベイスターズ、筒香嘉智のあとを継ぐ者たち

プロ野球12球団が一斉にキャンプインした。

実績のある選手は自分のペースで仕上げていくことが許されるが、レギュラーや一軍定着を狙う若手選手にとっては、またとないアピールの場。自主トレでしっかりと身体を作り込み、キャンプ初日から監督やコーチの目に留まるべく、積極的な姿勢を見せなければいけない。

首脳陣にとっても、戦力バランスを見極め、シーズンを通しての戦い方をシミューレトする大事な時期。なかでも横浜DeNAベイスターズ(以下、ベイスターズ)は大きな課題を抱えている。

それは「ポスト筒香嘉智」

DeNAになってからのベイスターズは、誰もが認める筒香のチームだった。昨年オフ、ポスティングによりタンパベイ・レイズへ移籍した筒香の穴を、果たして誰が埋めるのか? ファンも野球解説者も、今季のベイスターズキャンプでもっとも注目するポイントだ。

2019年のドラフトで、ベイスターズは地元神奈川県・桐蔭学園の森敬斗選手を1位指名。2009年の筒香以来の高校生野手の1位指名となった

秋のドラフトで指名されたのは、即戦力でも長距離砲でもなかった

2019年のドラフト会議で、横浜DeNAベイスターズが1位指名したのは、地元神奈川県、桐蔭学園の遊撃手、森敬斗だった。

意外だった。この時点でまだは決まってはいなかったものの、筒香のメジャー移籍は規定路線だった。だから野手を1位指名するのであれば、大砲候補を指名すると思っていたのだ。

それが俊足好打の内野手。確かにここ数年のベイスターズの課題に、「二遊間の固定」がある。昨年は主に大和が遊撃、ソトが二塁を守ることが多かったが、大和は打撃に物足りなさを、ソトは守備面で不安を抱えており、レギュラーポジションと言えるものではなかった。

昨年は打撃力のあるソトと、守備力の高い柴田がおもにセカンドを守った

昨年のドラフトでは、報徳の学園の遊撃手、小園海斗を指名し広島と競合。結果クジをはずしている。だから二遊間を守れる素材型の野手が欲しいことはわかる。しかし「筒香の穴」を埋めるという意味では、一瞬疑問符が付いたのは確かだ。


しかしすぐに思い直した。まず現在のベイスターズには、30本塁打以上を期待できる打者が3人もいるのだ。2年連続ホームラン王のソト、6年連続25本以上のロペス、昨年はケガで114試合15本に終わったものの、2018年に28本塁打を放った宮崎敏郎。全員が右打者という部分は気になるが、これだけ打てる打者が揃っているのなら、なにも無理して大砲を獲る必要はない。

パワーだけでなく、バッティング技術は球界でも随一。今年は3割30本が期待される宮﨑

大砲候補は、すでにここにいる

しかも若手の中には、昨年11試合で4番に座った新キャプテンの佐野、チーム一番の怪力、細川、新人ながら21試合で4本塁打を放った伊藤裕季也など、ブレイクが期待される大砲候補もたくさんいる。さらにに言えば新外国人選手の補強だって怠っていない。

チーム随一の飛ばし屋、細川成也選手。その飛距離に田代コーチも驚きを隠さなかった

数字の部分では実績ある選手。期待値の部分では成長著しい若き大砲候補たち。彼ら一人ひとりが「ポスト筒香」を形成するピースなのだ。

そう考えると、昨年のベイスターズのドラフト戦略はうなづけるものだ。

森は、強肩と広い守備範囲がウリの遊撃手。粗削りながら思いきりのよい打撃と、50m5秒8の脚力も持っている。桐蔭学園時代は主将を務め、凡ミスした選手を叱咤するなどリーダーシップも持ち合わせている。そして何よりまだ18歳と伸びしろも十分だ。

2020年は佐野がキャプテンを務めるが、その前までは筒香が5年間、さらにその前は石川雄洋が3年間務めている。どちらも地元横浜高校出身の高卒野手。筒香は23歳と、歴代最小年齢での就任だった。つまりベスターズは、5年後にチームの中心にいて、キャプテンを任せられる人材を獲得したといっていい。そういう意味では、森もポスト筒香の一人といっていいだろう。

筒香からキャプテンを引き継いだ佐野。本来は内野手だが、出場機会を求めて外野にも挑戦。広陵高3年から明大3年途中までは捕手も経験している

ポスト筒香は一人ではない。そもそも筒香の代りは存在しない

昨年末、ポスト筒香について、ラミレス監督に話を聞いたとき「選手として、キャプテンとして、彼は特別な存在だった。誰も彼の代わりを務めることはできない」と言っていた。つまりベイスターズはポスト筒香を、現在の主力、成長中の若手、期待の新人選手らで分担させようとしているのだ。

筒香に代わる選手を探すのではなく、選手一人ひとりが、それぞれの個性でカバーしていく。とても健全な取り組みだと思う。

「 (筒香に代わる)ベストな選手はいないが、みんなで補えばいいチームになる 」とラミレス監督

DeNAになってから、今年で9回目のシーズン。 ベイスターズは、若返り に成功し、DeNA以前から在籍する選手は、石川雄洋、梶谷隆幸、国吉祐樹ら数えるほどになってきた。

現在のメンバーは実に個性派ぞろいだ。今後は筒香とはまた違ったタイプの中心選手が生まれてくるだろう。ひょっとしたらここで名前を挙げなかった選手が台頭してくるかもしれない。なんだかワクワクしてくる。さらに楽しくキャンプを見ることができそうだ。

文=小貫正貴

メジャーに挑戦する筒香嘉智選手。記者会見を見ていたら4年前のインタビューを思い出した

横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手が、ポスティングシステムによるメジャー挑戦を正式に表明した。10/29に行われた記者会見では、ファンへの感謝の気持ちを真っ先に伝えたあとは、質疑応答では聞かれたことに淡々と答えるのみで、リップサービス的な発言はほとんど見られなかった。慎重に言葉を選び、わからないことはわからないと言う。そんな会見の模様を見ながら、筒香選手に初めてインタビューした時のことを思い出していた。

キャプテン就任1年目のその男は恐ろしく無口だった

横浜ウォーカー2015年4月号より

横浜ウォーカーのライターとして、筒香選手に初めてインタビューしたのは、2015年の2月。沖縄・宜野湾キャンプが始まった頃だった。プロ野球の開幕直前に発売される横浜ウォーカー4月号で、初めて横浜DeNAベイスターズの大特集を組むことになったのだ。筒香選手は前年の2014年に打率.300、22本塁打、77打点とブレイク。中畑清監督からキャプテンに任命されて臨む、初めてのシーズンだった。

こちらとしては当然、前年の好成績について、そして弱冠23歳の若きキャプテンとして、威勢のいい言葉を引き出したい。しかし筒香選手の口はとても重かった。確かに事前に周囲から仕入れた情報では、どちらかといえば話をするのは苦手ということだった。しかしこれほどまでとは思わなかった。シーズンへの意気込みを聞くと「まずレギュラーになることが目標」と、目を合わせることなく、小さな声でうつむき加減に答える。新キャプテンとしての意気込みには「意識せずに、選手として自分のやるべきことをやる」。一流打者の証、3割30本100打点という数字を向けてみても「全試合、全力プレーを大事にしたい」としか語らない。

威勢のいい言葉を引き出したい記者と、リップサービスしない筒香嘉智

横浜ウォーカー2015年4月号の表紙。巻頭特集がベイスターズ、第1特集が「地元有名人のグルメ決定版」だった

横浜ウォーカーという媒体はスポーツの専門誌ではない。横浜のグルメであったり、遊びスポットであったりを紹介する情報誌だ。ベイスターズとは“横浜つながり”というだけ。決して野球好きが買うような本ではない。なので野球選手に対しても「好きなタイプの女性」とか「仲のいいチームメイト」などの、アイドル誌のような質問が求められる。そんな中で、野球の話については、できるだけわかりやすい方法で伝えなければならない。「数字で目標を」という質問を嫌がる選手が多いのは承知している。しかし読者が聞きたいのはそういうことだし、優勝へ向けての威勢のいい言葉だったりするのだ。

この時同じタイミングで、98年の日本一の中心メンバーでもあった三浦大輔手(当時) 、前年盗塁王に輝いた梶谷隆行選手にもインタビューしていた。三浦選手は自らの経験から優勝への手応え、そのために必要なことについて言及しているし、梶谷選手はトリプルスリーを目指したいと語ってくれた。ところが筒香選手だけは「レギュラーを取るために全力プレー」となってしまう。仕方なく柔らかめの質問に切り替え、「横浜で好きなスポットは?」という質問にも、「高校の時からずっと野球一筋だったから、わかりません」という。半ば誘導するように「みなとみらい」という言葉を引き出すのが精いっぱいだった。メディア慣れしていないということもあっただろうが、取材者としては実にヤキモキしたインタビューだった。

無口な23歳が来シーズンに向けて秘めていた思いとは

2015年8月、横浜スタジアムにて(撮影=小貫正貴)

しかし同時に、一人のベイスターズファンとして、その姿勢に強く感動もしていた。まだ23歳。高校を卒業して入団5年目でようやく実績といえる成績を残したばかり。キャプテンに任命されたとはいえ、周囲のほとんどは自分より年上の選手だ。やりにくいであろうことは容易に想像できる。いくら期待しているからといって、当時の中畑監督はずいぶんと高いハードルを設定したものだと感じていた。

そんな中で浮かれることなく自分を律する姿に、これからチームをけん引していこうという覚悟を見たような気がした。2014年の好成績がたまたまだったのか。それとも完全なる覚醒なのか。それを証明するためのシーズンが2015年であることを、筒香選手が何よりも理解していたのではないだろうか。

そして2015年。筒香選手はシーズンを通して4番に座り、打率.317、24本塁打、93打点とすべてにおいて前年を上回る成績を残した。幸い横浜ウォーカーのベイスターズ特集も好評を得て、2015年の開幕直前号では、さらにページを増やしてベイスターズ特集を組むことになった。そして同年2月、1年ぶりに話を聞く機会を得た。今回は新人最多セーブ記録を塗り替え、新人王に輝いた山﨑康晃選手と梶谷選手との鼎談という形だ。

初インタビューから1年。人はこんなにも変わるものなのか

横浜ウォーカー2016年4月号より

我々の前に姿を現した筒香選手は、1年前とは打って変わって自信に満ち溢れていた。こちらの質問の意図を汲み、しっかりと目を合わせて応えてくる。梶谷選手は「ゴウが4番にいるのは心強い」と語り、山﨑選手は「試合を決定づける打撃を、何度も見てきた」と称賛する。そして筒香選手自身も先輩である梶谷選手を敬い、後輩である山﨑選手をねぎらう発言を繰り返す。そこにいるには、まさに“キャプテン筒香”だった。人は1年でこんなにも変わるものなのか。2015年シーズン、前半に首位に立ちながらも最下位に終わった悔しさ、勝利への執念についても熱く語ってくれた。ただし自身の目標については「勝利にどれだけ貢献できるかを重視。数字は後からついてくる」と、やはり数字で表現してはくれなかったが(笑)。

筒香のいない2020年のベイスターズの戦いに注目

2019年最終試合。来シーズンの開幕のスコアボードはどのようなラインナップになるのだろう(撮影=小貫正貴)

今回のメジャー挑戦のための記者会見は、個人的には4年前のインタビューを思い出させるものだった。当時に比べたら態度は堂々としていたし、話し方も自信にあふれたものだった。しかしけっして大げさな言葉は発しず、一言一言を自分の言葉で懸命に伝えようとする姿がダブるのだ。今、自分が立っている場所と状況を冷静に見極め、説明できるものだけをきちんと説明する。自らの大きな決断に、過大なリップサービスはいらない。必要なのは“覚悟”だけだ。そんな雰囲気が感じ取れた。

来年の横浜DeNAベイスターズに筒香選手はいない。ここ数年は“筒香のチーム”と言われることもあったほど、チーム内外にわたって大きな影響を与えてきた。来年どんなチームになるのか想像もつかない。しかし来シーズンを託された選手たちは「筒香がいなくなったから弱くなった」とは、絶対に言われたくないだろう。そんな奮起したチームの戦い、そして海の向こうで大暴れする筒香選手の活躍が今から楽しみでならない。

文=小貫正貴

ラグビーワールドカップ、日本人の心に刺さる“ノーサイド”の精神

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日本代表がワールドカップで初のベスト8に進出し、日本中が喚起に沸いている

レスラーのような屈強な男たちが正面からぶつかりボールを奪い合う。ラインアウトのボールを少しでも高い位置で取ろうとチアリーディングのようなリフトを見せる。攻め込むときのボール回しは、まるで手品を見ているようだ。あれよあれよという間にパスがつながり、一瞬誰がボールを持っているのかわからなくなる。スピード型の選手が見事な切り替えしで相手ディフェンスの間を抜けていけば自然と歓声が出るし、スクラムを見ているとつい力が入り唸ってしまう。ゴールキックの時は時間が止まったかのように息をするのを忘れている自分がいる。

「ラグビーって、サッカーより面白いかもしれない」

最近私の周辺でよく聞かれる会話だ。これまでラグビーに興味を持つこともなく、ルールもろくに知らなかった私だが、今回のラグビーワールドカップ日本大会を見て、まったく同じ感想を抱いている。特に日本代表が初のベスト8に進出し、日本中が喚起に沸いている。私のようなにわかファンは急増していることだろう。

もちろん競技は面白い。しかし多くの日本人は、ラグビーというスポーツが持つ精神性にも惹かれているのではないだろうか。

ノーサイドの精神は、武士道に通じるものがある

「ノーサイドの精神」。「ノーサイド」は、ラグビーの試合終了を指す言葉で、その瞬間、敵と味方の垣根がなくなることを意味する。スポーツは対戦相手がいて初めて成り立つことから、相手への敬意を重んじるという精神。どこか日本の武士道にも通ずるようにも感じられる。

武士道には義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義という7つの基本理念があるが、ラグビーには「ラグビー憲章」というものが存在する。

<ラグビー憲章>

WORLD RUGBY「競技規則」より
・品位(INTEGRITY) ・情熱(PASSION) ・規律(DISCIPLINE)
・結束(SOLIDARITY) ・尊重(RESPECT)

荒々しいイメージとは違った、気品ある言葉が並ぶ。ラグビーでは、指導者はまずこのラグビー憲章について徹底的に教え込むという話を聞いたことがある。身体を激しくぶつけ合い、ケガをも辞さず一つのボールを奪い合う。球技の中でおそらく最も過激で危険なスポーツの一つがラグビーだが、それほど危険なスポーツだからこそ、品位や規律、リスペクトの重要を説いているのだろう。

日本の初戦となった9/20、30-10で勝利したロシア戦。その試合後、日本の主将リーチ マイケルがロシアのロッカーを訪問し、互いをたたえ合った。また当時世界ランク2位の格上アイルランドに勝利を収めた日本代表2戦目では、試合終了後に日本代表に敬意を表してアイルランド代表が花道を作ったことが話題になった。

日本の試合に限ったことではなく、今回のワールドカップを見ていても、試合終了と同時に、互いをたたえあう選手やファンの姿を何度も見てきた。ラグビーには全般を通して「ノーサイドの精神」が流れているのだ。その気持ちには、武士道のDNAを持つ多くの日本人が共感するのではないだろうか

世界が驚く日本の「おもてなし力」の根底も実はノーサイド精神?

一方で日本の「おもてなし力」も話題となっている。大会3連覇を狙うニュージーランド代表のオールブラックスが、キャンプ地である千葉県の柏市で地元の子どもたちによる「ハカ」のパフォーマンスで熱烈な歓迎を受けた。その模様の動画がツイッター公開されるや、瞬く間に世界中に広がり180万回再生を突破した。また9/22に横浜の日産スタジアムで行われたアイルランド対スコットランド戦で、大会公式インスタグラムが、試合前の国歌斉唱で、英語の歌詞カードを持ってアイルランドのアンセム「Ireland’s Call」を歌う日本人の姿を公開。SNS上では「日本のおもてなしは一流」と絶賛の言葉が相次いだ。

私はもちろん日本代表を応援しているし、日本が勝てばうれしい。しかしせっかくの日本開催のワールドカップなのだから、世界最高峰の試合を見たいとも思っている。だからこそ、すべての代表にベストコンディションでピッチに立ってほしい。「敵チームだから」とか、「国が違うから」といった負の感情はそこにはない。「いい試合が見たい」「今この瞬間を楽しみたい」。おそらく日本各地で代表チームを受け入れている自治体関係の人、スタジアムで応援するファンも同じ気持ちなのではないか。

日本のこういった姿勢が特別なのか、ラグビーの世界では当たり前のことなのか、にわかの私にはわからない。しかし、日本人がラグビーをリスペクトしているという気持ちは、確実に届いていることはわかる。今大会では、試合後に両チームの選手が観客席に向かって日本式のお辞儀をしていると聞く。また台風19号の影響で、釜石で予定されていたナミビア対カナダの試合が中止になったが、被害の一報を聞いたカナダ代表選手が、翌日市内で清掃活動を実施したという感動的なニュースもあった。参加国の代表チームも日本への敬意を精一杯、形として表そうとしてくれているのだ。

ラグビーというスポーツを、一時のブームに終わらせないために

野球、サッカー、バレーボール。これまで日本では数多くのスポーツの世界大会が開催されてきた。そのたびに盛り上がるのだが、それは一時的で終息も早かった。世界大会には注目しても、国内のリーグ戦が盛り上がるまではなかなかいかない。熱しやすく冷めやすい。それがスポ―ツに対する日本人の自己評価だ。

しかしラグビーはどうだろうか。スポーツとしての面白さだけではなく、日本人として受け入れやすい“ノーサイド”の精神がある。メディア側がきちんとのラグビートップリーグの情報を伝え、試合の面白さだけでなく、その裏にあるドラマにまで着目できたなら、ラグビー熱が急激に覚めていくなどということはないのではないだろうか。

中にはスコットランド協会の舌禍問題やウルグアイの一部選手による泥酔事件など、残念な出来事もあったが、大会そのものは概ね爽やかで、感動的なエピソードに包まれている。何より日本代表が快進撃を続け、ベスト8にまで残っている。少なくともここまでは、運営的にもビジネス的にも成功と言えるだろう。気の早い関係者は、「20年後にまた」と期待を寄せているという。

しかしまだ、ラグビーワールドカップ2019日本大会は終わっていない。週末からいよいよ決勝トーナメントが始まる。いったいどんな素晴らしい試合を見せてもらえるのか。どんな感動的なドラマが生まれるのか、楽しみでならない。

文=エンターバンク