
先発投手の防御率1.95!開幕3カードを6勝3敗の好発進
横浜DeNAベイスターズが開幕からの9連戦を6勝3敗で終えた。開幕戦となった6/19の広島戦で、大瀬良に4安打完投の黒星発進も、3戦目で宮﨑の劇的なサヨナラ打で勝利をもぎ取ると、その後中日を3タテ。続く阪神との初戦も勝利し5連勝。2戦目は守護神・山﨑が、阪神の新外国人サンズに3ランを被弾し落としたが、翌日にはキッチリ9-1と快勝している。
好調の要因として最も大きいのは投手陣の活躍。先発投手が粘って5~6回までしっかり試合をつくっていることだ。ここまでの先発投手の防御率は1.95。6/27中日戦に先発したピープルズの5回5失点を除く8試合で、5回以上を2失点以内に抑えている。しかし今回は、先発投手の力を引き出しているキャッチャー陣に注目したい。
正捕手を固定しない、異色の「捕手担当制」
今永、ピープルズ、井納には伊藤光。平良、坂本には戸柱。そして濵口には髙城。去年は伊藤光を正捕手として据えていたラミレス監督だが、ここまでは投手との相性によってキャッチャーを変えていく戦略のようだ。総合力の伊藤光、キャッチングの戸柱、濵口が安心して腕を振れる髙城。そしてもう一人、守護神・山﨑と亜細亜大学時代からバッテリーを組む嶺井。
■「獲れるタイトルは全部獲る」総合力で勝るベテラン捕手
伊藤 光

プロ入り12年目の伊藤光はオリックス時代の14年にベストナイン、ゴールデングラブ、最優秀バッテリーと、キャッチャーとして獲れるタイトルをすべて獲得。経験、技術、打撃と、総合力ではNo.1。DeNA1年目は途中加入。2年目の昨年はケガで長期離脱してしまったが、自己最多の8本塁打と打撃でも存在感を発揮。今年は14年に獲得したタイトルを「もう一度狙う」と、高いモチベーションでシーズンイン。取材した印象では、常に周囲の選手を観察しているように感じた。年齢的にも実績のある投手との組み合わせがハマるだろう。
■MLB関係者絶賛のキャッチングで技巧派投手を援護
戸柱恭孝

今年の春季キャンプを訪れていたメジャー関係者が、戸柱のキャッチングを見て絶賛したという記事があった。戸柱は入団1年目から“フレーミング”と呼ばれる技術に長けていた。フレーミングとは、ストライクゾーンギリギリの際どいボールを、ミットさばきによってストライク判定にする技術のこと。現役時代のヤクルト古田が得意としていたことでも有名だ。新人時代に取材させてもらった時、キャッチングの上手さに言及すると、「本当ですか?本当にそう思いますか?」と笑顔で喜ぶ姿が印象に残っている。コントロールで勝負するタイプの投手には心強い存在だ。
■ハマちゃんの力を最大限引き出す専属捕手
髙城俊人

移籍前の16年に撮影したため、当時の背番号32になっているが、現在は36番を背負う
髙城は、18年途中に伊藤光とのトレードで、一度はオリックスに移籍。昨年自由契約となったところを、DeNAが声をかけ再入団となった。というのも移籍前の17年、濵口の登板日限定で先発マスクを被り、新人だった濵口に二ケタ勝利をもたらしたからだ。当時の濵口が「髙城さんが、“絶対に止めるから思い切り腕を振ってこい”と言ってくださったから、あのチェンジアップが投げられる」と語っていたことが思い出される。今季も濵口限定の起用になると思うが、ここ2年本来の力を発揮できていない濵口にとって、 頼りになるアニキ分が帰ってきたことは明るい材料。心機一転のシーズンにしたい。
■チームメイトから愛される“ハマの仏様”
嶺井博希

嶺井は投手に限らずチームメイトの誰からも好かれる存在。以前桑原が嶺井の人の良さを「年下の僕が全力でぶん殴っても怒らないと思う」と評したことがある。そのことを本人伝えると「怒らないです。それよりも何で殴られたのかを考えちゃいます」と、超お人好しな答えが返ってきた。彼を嫌うチームメイトはまずいないだろう。当初は「ピッチャーが投げたい球を、気持ちよく投げてもらう」という、投手に気を使う傾向があったリード面も、昨年取材した時には「勝つためには、投手にも多少のガマンはしてもらう」と変化してきた。今シーズンはすでに4試合に出場(6/29現在)。まだ先発マスクはないが、誰とでも組めるのは強みといっていい。
今シーズンは捕手陣の活躍に注目!
トータルでは伊藤光が頭一つ抜けているのは確かだが、四者四様の個性が光る。「優勝するチームには、必ずいいキャッチャーがいる」という、故・野村克也氏の言葉がある。確かにこれまではそうだった。キャッチャーとしては、受ける投手が限られるのは、悪いように思われるかもしれないが、逆に言えば、バッテリーとして、より深いコミュニケーションが取れるということ。普通に考えれば正捕手固定が理想だが、飛び抜けたキャッチャーが不在のチーム状況としては、このスタイルは正解かもしれない。そしてそれを証明するには、やはりリーグ優勝しかない。
3か月遅れで始まった20年シーズン。先発投手や破壊力抜群の打撃陣以外にもキャッチャー陣にも注目すべき部分がある。まだ始まったばかりだが、例年になく見どころが詰まったシーズンになりそうだ。
エンターバンク 小貫正貴











