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執筆者の写真Masataka Onuki

横浜DeNAベイスターズ 伊藤裕季也選手のトレードに思うこと

横浜DeNAベイスターズの伊藤裕季也選手と、東北楽天ゴールデンイーグルスの森原康平選手とのトレードが発表された。伊藤裕選手は、ラミレス監督時代に何度か取材させていただいた。まずはかつて横浜ウォーカーの取材で判明した伊藤裕季也選手の素顔から。


伊藤裕季也選手について、楽天ファンへの申し送り


◎極度の清潔好き

「趣味は掃除です。寮の部屋も毎日掃除しないと気が済まない。掃除機もコロコロも、洗面台も棚の上のほこりも、毎日掃除しています。寝る前とか空き時間とか、時間あればどこか掃除しています」


◎洋服の買い物は一人で行く

「自分のペースで買い物をしたいんです。でも実際は買うものを決めて出かけるので時間はかからないんですけど」


◎好きな食べ物はチョコレート

「高級チョコではなく、コンビニやスーパーで売っている普通のチョコ。ちなみに「きのこ」と「たけのこ」だったら「たけのこ派」です(笑)」


◎苦手なのは明太子

「タラコも苦手なんですけど、なぜかイクラやカズノコは大丈夫なんです。たぶん食感というより味が苦手なのかもしれません」


◎好きな女性のタイプ

「外見はふわっとしていて、でも中身は芯があって強い人。好き嫌いも含めて、物事に対して、はっきりと自分の考えを伝えられる人に魅力を感じます。年齢は、年上の方がいいかな」



1年目は本人思い描いていた姿とはかけ離れてしまった


日大三校から立正大学を経て、2018年のドラフト会議でDeNAから2位指名。ちなみに私も立正大学の卒業生だ。ひいきチームに後輩が入団するということで、ちょっと特別な思い入れがあったことを覚えている。


ルーキーイヤーの2019年はプロ初スタメンで2打席連続ホームランの鮮烈デビュー。今季は一軍出場こそ少なかったものの、イースタンでは打率.300、4本塁打とそれなりの結果を出していた。なかでも7月6日のイースタン・巨人戦では、井納翔一、山口俊(奇しくもDeNAからFAで巨人へ)から2打席連続ホームランを放っていた。



私がインタビューしたのは、2020年の1月。1年目を振り返ってもらったところ、プロの厳しさを痛感したという答えが返ってきた。


「僕が当初思い描いていた姿とは、大きくかけ離れてしまった1年でした。1試合でも多く一軍の打席に立って、2ケタ本塁打を打つ。そういうイメージをもってプロに入ったのに、ファームでも結果が出ない日が続いて。悔しいシーズンでした」


同期入団の上茶谷大河(1位)と大貫晋一(3位)が一軍で活躍。結果的に上茶谷が7勝、大貫が6勝と結果を出した。そんな活躍する二人を見て、焦りも生じたという。しかしすぐに「まず自分がやるべきことをちゃんとやろう」と切り替える。


「忘れもしない5/24(2019年)のファームでの千葉ロッテ戦です。5打席立たせてもらって、内野ゴロとゲッツーが2つずつ。残りの1打席も見逃しの三振でした。さらにエラーを3つもしてしまった。もちろん試合は敗け。自分の野球人生で一番ひどい試合でした。とにかく結果が欲しくて焦っていたんです。さすがに落ち込みました。でもその試合を機に、やることをしっかりやらないと結果はついてこないと思えるようなったんです」


当時のラミレス監督は、伊藤裕季也を「将来を約束された選手」と評した


当時のラミレス監督による伊藤裕季也選手評は「Promising Star(将来を約束された選手)」。40本100打点も可能な打者であると期待を寄せていた。伊藤裕選手の最大の魅力である長打力は衰えているわけではない。大卒4年目でまだまだ成長中だ。ただ同じポジションには、現在DeNAの4番、牧秀悟選手がいる。現在のDeNAでは伊藤裕選手の活躍の場は限られてしまう。だからこそ、伊藤裕選手のことを思えばこそのトレードなのだと思っている。


トレード相手の森原康平投手は、2019年に64試合で29H、防御率1.97を記録した、最速154キロの中継ぎ右腕。後半戦に向けリリーフ陣を強化したいDeNAとしては願ってもいない補強だ。


パ・リーグにはDH制を採用しているので、出場機会は増えるかもしれない。とくに移籍直後は期待値が大きいため、チャンスはきっと多いことと思う。

与えられたチャンスで、しっかり結果を残す。

やるべきことを積み上げてきた者なら、きっと大丈夫。


(文=小貫正貴)

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